「電気グルーヴ Zeppツアー ”みんなと未来とYシャツと大五郎”」に行ってきたョ

「まりんおかえり!!」

思わずステージに向かって自然に声が出た。
レギュラーでサポートメンバーとして参加しているagraph牛尾 憲輔氏が体調不良で東京公演を欠席、12/2はDJとして活躍しているSUGIURUMNがサポートに入り電気のサウンドを支えた。

最終日12/3、ステージの幕が開くとセンターに仁王立ちするピエール瀧の後ろの機材ブースで石野卓球の右に立っているのは、99年に脱退した砂原良徳こと”まりん”だった。
会場にいる誰もがすぐに気付いた、開幕の歓声とは明らかに違うテンション!!

まさに”あの頃の電気グルーヴ”の3人がそこにいた。
もちろん再結成したわけでも、今後固定のサポートメンバーになるわけでもない。
あくまでも牛尾憲輔の代理、本日限りのサポート…そんな事はみんなわかってる!

石野卓球、ピエール瀧、そして砂原良徳。
この3人がステージに立ちライブをフルセット公演するのは20世紀の電気グルーヴと21世紀の電気グルーヴの地続きだけど断絶していた空白を埋める奇跡的な出来事だ。

だから、出てくる言葉はやっぱり

「まりんおかえり!!」


個人的には1997年5月にサッポロファクトリーホールで見た「野球ディスコ」の続きがここにあった。

アルバム『A』リリースライブの位置付けだった「野球ディスコ」は現在同様オールスタンディングのホール開催、ステージすら照明は最小限の真っ暗な空間にレーザー光線が縦横無尽に踊りまくるのはまさに巨大なクラブ状態。

フロントに卓球と瀧、そして後衛にマニアックなアナログシンセで装備を固めたまりん(砂原良徳)というスタイルから卓球とまりんがDJ機材やミキサーの前でサウンドを制御するスタイルになったのもこの頃だった。

…が、「野球ディスコ」後の海外ツアー途中でまりんの脱退が発表され、ライブでは卓球&瀧にサポートメンバーやDJが追加補充されるという構成になった。

当時は若いロックバンドのビジュアルをメインに扱う雑誌に「キテレツな連中」として毎回取り上げられ、楽曲のヒットにも恵まれた時期だったので他のロックバンド同様に黄色い声援を贈る「『電グル』ファン」も多かった時期だった。
「顔で入ってきたファンは曲を聴いてない」「電気が、じゃなくてテクノが好きなんだ」「電グルって言ってるのは俄」「オールナイトで紹介された「オススメ曲」の良さがわからないヤツはダメだ」と誰にもなんとも思われていないのに勝手に敵認定して斜に構えて、テクノを聴いている自分や自分たちだけが本質を分かっているという今考えると相当痛い態度で自分を保つようにして聴いていた、あの頃の電気グルーヴの3人がそこにいた。


面倒くさいこじらせ方は薄まりつつも2000年代後半まで続き、「ファンクラブに入るなんてミーハーだ」という思いから加入はせずにライブチケットは一般抽選販売のみで購入していた。
当然一般販売では当選率も悪く行けないライブもいくつかあり、2010年代になってやっと当時のファンクラブに入った。

一方的に想像していたようなミーハー感は特になく、年に数回届く会報とライブチケット優待で当選率は圧倒的に上がり申し込んだライブはほぼ100%当選するようになった。

なんだ、ミーハーな集まりじゃなくてチケット優待サービスじゃないか!と気付くまでずいぶんかかってしまったけど、今ではその恩恵に預かりライブに行けるだけに留まらず整理番号も先行で若い番号を付与されステージ前方でライブを楽しめるようになった。

現在ファンクラブはDGCCというウェブサービス形式になりチケットの優先販売のほか、紙の会報から毎月の動画配信に変わり、ライブグッズの通販なども行っている総合サービスに進化した。


さて「野球ディスコ」から25年、メンバーの二人で合計110歳。
完全なおじさんになっているし見ている僕ももうすぐ50歳のおじさんだ。

もしかしたら奇抜な極彩色ファッションで「電グルファン」のお姉さんだった人も今はすっかりおばさんでここにいるのかもしれない。

「私がオバさんになってもディスコに連れてくの?ミニスカートはとてもムリよ若い子には負けるわ」である。

そこには敵対関係も肉体関係も無い、ただ電気グルーヴが好きな人が集まっているだけだ。


今回のツアー、当初からまりんが参加することは想定していないことや参加することでセットリストを更新したということは無さそうな事は先行して開催された福岡や大阪のレポートを見ると明らかだ。

それでもまりん在籍時代のアルバム曲が絶妙なタイミングにセレクトされていたり(もちろん最新のライブアレンジにアップデートされて!)、最近減っていた学生時代の友人ボイスのサンプリングを多様するスタイル、『VITAMIN』『DRAGON』を思い出すアシッドトランス系サウンドのライブアレンジがここ数年増えていたこともあり、まるで最初から最終日のサポートメンバーが予定されていたのかと錯覚してしまうほど完璧な状況だった。

『誰だ!』ではサビ以外歌詞カットして
卓球「もう食べれん…」
瀧「ドンドコドン…」
の掛け合いリピートで建築現場で鉄骨抱えて叩きあうようなボディミュージック。
『かっこいいジャンパー』は久しぶりで冒頭コーラス音がもうカッコいい。
捨て曲も楽曲リリース都合でのやらされ曲もない、全曲ライブに特化したアレンジは全身で受け止めないと吹き飛ばされる、まさに戦闘曲だ。

※詳細な各公演でのセットリストは詳しい人がSNS等でアップしているのでお任せ。


2019年、電気グルーヴ30周年の年にZeppを中心にしたライブツアー「ウルトラのツアー」が開催された。
福岡、岡山(ここだけZeppではない)、大阪を経て最終公演の東京のみ開催が中止となった。


「ウルトラのツアー」中止から3年、岡山を除く前回と同じツアー行程で福岡から始まり、大阪、そして東京でついに止まっていたZeppツアーが完全に終了したという区切りのライブツアーにまさかのサプライズにアーティスト自身以上に二重三重の意味をファンは勝手に上乗せして感動のコンボが発生していた。

We like the music, we like the disco sound, hey!!

まさにFLASHBACK DISCOな体験、それが今回の「電気グルーヴ Zeppツアー ”みんなと未来とYシャツと大五郎”」だった。

今回のツアー最終日、多くの撮影クルーが入り収録ライブだったので、ライブ映像がブルーレイになるのか配信になるのかわからないが、映像化されてもう一度観られることを楽しみにこれからも生きていきたい。

電気グルーヴのドキュメンタリー映画を監督した大根仁氏も会場で何度もiPhoneを使った撮影をしている所を目撃した。
昨年トレーラーが発表された「DENKI GROOVE THE MOVIE 2 ?」を撮影しているのか、別のものなのか現段階では全く不明だが”何か”は絶対作っていると信じている。
公開される日が楽しみ!

※今回はライブ帰りの電車の中で興奮状態で書いたテキスト、誤脱字修正とリンク追加以外ほぼそのままです。




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