1998年に発売されたスーパーファミコンの最終モデル「スーパーファミコン ジュニア」を手に入れたのでRGB出力ができるように改造しました。
スーパーファミコン ジュニアはテレビとの接続をビデオ端子(コンポジット)に限定した小型な廉価版として発売されたモデルで、接続端子こそオリジナルのスーパーファミコンと同じ「AVマルチ端子」を使っていますがS端子やRGBといった高画質な接続はオミットされています。(他にも通電ランプやカセット取り外しボタンなども)
廉価版ではありますが内部の基板はスーパーファミコン最後期モデル同様に最適化された「1chip」モデルで、初期型モデルと比較すると画質が良いと言われています。
また、基板の内部的にはAVマルチ端子への接続は行われていないもののRGBやSの信号は出ているので簡単な改造でRGB信号やS信号をAVマルチ端子に通すことができます。
インターネット上にも様々な改造方法や改造パーツが販売されています。
今回はRetroRGBに記載されている記事「SNES Mini DIY RGB Mod」を参考に改造を行いました。
画質の比較
どちらもHDMI変換コンバータ「RAD2X」を使ってHDMIに変換してキャプチャしています。
RAD2Xは接続された信号を検知して自動でコンポジットとRGBを切り替えるので、接続条件自体は改造前・改造後ともに同じです。
コンポジットで接続
ロゴの大きな「SUPER」の"R"などを見るとクッキリとドットのカドが出ているので十分キレイな画質ではありますが、下の「CAPCOM」ロゴや「The New Challengers」の文字を見るとゴールドや黄色の文字色と青の囲み滲んでます。
RGBで接続
コンポジットの時に気になっていた「CAPCOM」ロゴや「The New Challengers」の文字部分もクッキリと滲みが無く、それぞれのドットがしっかりと色分けされているのがよくわかります。
改造していく
- カートリッジスロットの上にある「S-RGB」と書かれているICチップから「赤・緑・青・同期」の4信号を取り出す
- 取り出した4信号に抵抗を挟んでAVマルチ端子につなぐ
- 別端子から「赤・緑・青」の3信号に抵抗を挟んでGNDにつなぐ
大きく分けて以上の3工程です。
S-RGBの24ピンに青、22ピン緑、20ピンに赤、18ピンにCSyncが出ているのでケーブルをはんだ付けします。
小さいチップの細い足にはんだ付けするのがけっこうたいへんですが、ここさえ終わらせればあとは簡単なので一番の頑張りポイントです(笑)
それぞれやりやすい方法があると思いますが、僕はチップの足とほぼ同サイズの単線のシールドケーブルを使いました。
RetroRGBの記事では抵抗を空中配線して直接AVマルチ端子にはんだ付けしていましたが、断線が怖かったのでユニバーサル基板に抵抗を並べる簡単な基板を作ってそこからスーファミjrのハンダ面それぞれに配線していきました。
小型化されたスーファミjrですが、中の基板自体もかなり小さいので内部には空間もあるので抵抗を並べた基板も問題なく入りました。
空間に余裕があるから大丈夫と思いつつ、一応ショートしないようにカプトンテープを巻き付けています。
あとはケースを閉じてネジ止めすれば改造は完了です。
改めて、画質の比較
コンポジットで接続
RGBで接続
細かいパーツ数カ所はんだ付け部分だけちょっと難易度が高いですが、あとは抵抗をつけるだけの総合的には簡単な部類に入る作業で1chipスーファミからRGB出力の高画質を得ることができるようになって満足度の高い作業でした。