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『携帯FC作成キット』に連射機能を付けました

『携帯FC作成キット』を完成させて遊んでいると、当時のゲームはけっこうボタン連打をするシーンが多く手動で連打していると疲れてくるので連射機能が欲しくなりました。

エキスパンドコネクタがあればジョイカードmk2などを接続して簡単に連射機能を使えますがキット内部にファミコン基板を実装する時に取り外しているので外部装置の接続は不可能です。

そのため、昔ながらのコントローラ部分を改造して連射機能を取り付ける必要がありました。

ファミコンが現役ハードだった当時、雑誌『ハッカー』や『バックアップ活用テクニック』で様々な改造方法が紹介されていました。

幸いにも『バックアップ活用テクニック』は電子書籍化されており古本を探さなくても簡単にアクセスできるので当時情報にあっさりたどり着けました。

無改造ファミコンのコントローラで実装テスト

若干入手困難な『携帯FC作成キット』をいきなり改造をしてしまうと失敗した時に後戻りできないので、まずは格安で中古やジャンクが出回っているファミコン実機のコントローラを使って連射装置を作成することにしました。

参考資料は『バックアップ活用テクニックPART4』

『バックアップ活用テクニック PART4』のP140に掲載されている『ファミコンジョイパッドmkIII <Transhiper>』を参考にしました。

※現在も電子書籍として購入できる状態ですので回路図自体の引用は致しません。

AMAZONリンク:バックアップ活用テクニック PART4 Kindle版

ブレッドボードで回路作成

『ファミコンジョイパッドmkIII <Transhiper>』の最大のメリットはICチップ「CD4022BE」1つと連射機能のオンオフスイッチ2個を追加するだけという超シンプル構成な事です。

これなら『携帯FC作成キット』への実装や狭い内部への組込みも容易にできそうです。

バッ活本誌ではファミコンのコントローラ内部へ組み込む為にICチップの足を広げ空中配線をしていましたが、今回はテストなのでブレッドボード上で行いました。

CD4022BEからコントローラ基板についているICチップ「4011」へ配線と、Aボタン、BボタンそれぞれGNDへ繋がっているパターンをカットしてCD4022BEと接続します。

詳細は『バックアップ活用テクニックPART4』の142ページを参照してください。

動作確認

一通り配線が完了したので『迷宮組曲』で簡易測定を行った所10秒間で200~210発だったので約20連打位の速度が出ているのと、連射のオンオフが出来たので回路自体は問題なく組み立てができたようです。

※『迷宮組曲』の連射測定は若干多めの結果を出すようにプログラムされているので、正確な数値を出すには『ゾンビハンター』など別の連射測定が必要です。

リンク:『ゾンビハンター』のウラワザ情報が間違いばかりなので検証しました

『携帯FC作成キット』へ組込み

無改造のファミコン実機のコントローラで連射回路が問題なく動いたので携帯FC作成キットへの組込みをすることにしました。

改めてバッ活を調べていると『バックアップ活用テクニックPART6』に連射速度の切替ができる連射装置の記事を発見しました。

168ページから4ページに渡って詳細に解説されている「スピード切り替え機能付トランスハイパー」という記事です。

部品点数もICチップが2個、連射オンオフスイッチが2個に、連射速度切り替えスイッチが1つと、テストで作った連射回路とそれほどかわらない部品点数で作ることができるとわかったので携帯FC作成キットにはこちらのトランスハイパーを使うことにしました。

※現在も電子書籍として購入できる状態ですので回路図自体の引用は致しません。

Amazonリンク:バックアップ活用テクニック PART6 Kindle版

連射回路「トランスハイパー」作成

連射回路はICチップはテストで使ったCD4022BEにTC4011BPを追加した2個です。

ユニバーサル基板に2つのチップを配置して『バックアップ活用テクニックPART6』に記載されている回路図の通り配線していきました。

紙面では低速が7.5連射、高速が15連射に設定されていましたが、せっかくなので高速は30連射に設定しました。

コントローラ基板の改造部分

携帯FC作成キットのコントローラ基板、無改造状態です。

ファミコン実機のコントローラでテストした時と同じようにAボタン、BボタンそれぞれGNDへつながるパターンをカットと、連射回路の配線接続を行う必要があります。

ファミコン実機のコントローラ基板とほぼ同じレイアウトですがGNDが基板全体に大きくレイアウトされていてボタンの金属部分からすぐGNDに繋がっているため、カットするパターンが限られています。

ボタン部分をアップにした状態です。

矢印が示しているAボタン、Bボタンの金属部分の右側の細くて短いラインがGNDへ繋がっているパターンです。

ここをカットして、カットしたパターンより内側に連射回路を接続することで連射回路にボタンが繋がります。

ボタンの金属部分の上にはラバーの接触パッドが乗って、ボタンが押される事で通電して「ボタンを押した」事になります。

そのため、あまりこの金属部分に余計なものをつけるとボタンの押し心地が変わってくる恐れがあるので、慎重に端の部分に配線することにしました。

携帯FC作成キット内部に組込み

携帯FC作成キットへ連射回路とオンオフスイッチ、速度切り替えスイッチを実装した状態です。

内部の上半分はバッテリが入るためにある程度スペースが空いていますが、ここに連射回路が入るのでバッテリ内蔵は完全にオミットとなりました。

オンオフスイッチ、切り替えスイッチは外装にスイッチ穴とネジ穴を開けて取り付けています。

3つすべてのスイッチをまとめて並べた配置にしたかったのですが、内部基板と干渉するので左右に分けた状態にしています。

完成~動作確認

連射機能のオンオフ、低速連射と高速連射の切り替えが問題なくできています。

『迷宮組曲』だと300以上の数値が出ていますが『ゾンビハンター』だと高速連射時には10秒でピッタリ300カウント(30連射)でした。

関連リンク

携帯FC作成キットを組み立てました(2/22更新)

『液晶保護パネルfor携帯FC作成キット』を作りました

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