『ウィザードリィ外伝 五つの試練』とAIイラストの親和性は最高かもしれない

ウィザードリィ外伝 五つの試練』は2006年にWindows向けソフトとしてパッケージ版とダウンロード版が発売されましたがアップデートなどのサポートが実質終了しWindows10で正しく動作しないなどの不具合がありました。

2021年末に現行Windowsに対応した最新版として様々な機能が追加されSteamで発売されました。

パッケージ版では「前作」扱いで別商品だった『ウィザードリィ外伝 戦闘の監獄』もSteam版では「『五つの試練』のダウンロードコンテンツ(追加シナリオ)」扱いで発売されているので、当時のPC版外伝2作を遊ぶことができます。

以前発売されたパッケージ版
以前発売されたパッケージ版

Steam版では新たな機能のひとつとして「カスタムポートレート機能」が追加されました。
ユーザーが自由にイラストや写真を「キャラクター画像」としてゲーム内に実装することができます。

ウィザードリィはファミコン版で末弥純さんがデザインした美麗なモンスターのデザインに始まり、敵キャラクターに関しては様々なグラフィック表現で画面内に表示されてきましたが、プレイヤーキャラクターは基本的にはパラメータなど文字のみで表示され「想像力で楽しむ」と言われてきました。

※6以降を継承するタイトルではキャラクターが表示されたり「ウィザードリィルネサンス」プロジェクトでは固定キャラクターが存在するタイトルもありました。

カスタムポートレート機能で「好きなように絵を実装できる」と言ってもその絵自体を用意するのが大変です。

そこで、最近何かと話題のAIイラストを使って「ウィザードリィのキャラクター」を生成する事にしました。


Stable Diffusion web UIのインストール

AIイラストの生成にはいくつかの方法がありますが、僕はローカル環境で生成するStable Diffusion web UIを使用しています。

これはオンライン上のサービスではなく自身のPCスペック(主にグラフィックボードのメモリ)を使ってAIイラストを生成するためのツールです。

インストール方法や使用方法はウェブを検索するとたくさん出てくるので、参考にしてインストールしました。

僕は「としあきdiffusion Wiki」の「ローカル版導入」を読みながら順序どおりインストールをして無事動作する環境が出来上がりました。

インストールが完了すると普段使っているウェブブラウザで作業を行うことができます。


AIイラストはどうやら「モデルデータ」ってのがキモらしい

「モデルデータ」はAIの学習データです。

インストール完了状態の最初から入っているモデルデータでは好みの絵を生成するのは難しいようです。
これも検索してみると先人たちが作成して公開しているモデルデータが多数存在することがわかりました。

参考1:始めて生成した画像

Stable Diffusion web UIをインストールして、ちゃんと動作するのか確認するために生成した画像です。
僕が自分で描く絵よりもずっと上手な女の子のイラストが生成されました。

ただ、特にパース感もなければ女の子もなんとなく立ってるだけで衣装もなんとなくフリルでかわいいという、全体に特徴のないイラストです。

参考2:モデルデータをインストールして生成した画像

モデルデータについていくつか調べていた所「Counterfeit-V3.0」がオススメだと紹介しているサイトが多かったのでインストールして画像生成してみました。

あわせて、生成するイラストに対するプロンプトにもいくつか「お約束」があるようなので、それらを入力してみると一気にプロっぽいイラストになりました。

参考リンク:ジコログ |【Stable Diffusion】Counterfeit-V3.0の利用方法


プロンプト(呪文)はもっと大事らしい

2Dイラストに特化したモデルデータをインストールして、日本で受け入れられやすい方向性のイラストが生成できるようになったら、次は「僕が欲しい絵」をどうやってAIに伝えるか、という段階になります。

「プロンプト」と呼ばれるテキストでの指示書を入力することでAIが書かれている内容に準じた絵を生成するようになります。

プロンプトには指示通りに描いて欲しい「ポジティブ」と、避けて欲しい内容を記載する「ネガティブ」の2種類があります。

ネガティブの方は、例えば「猫耳は付けないで欲しい」「実写ぽい絵は避けたい」という事を英単語で記載すればOKです。

その他、チートクラスの便利ワード「EasyNegative」を入れると一気に「神絵師の絵」っぽい絵になるようです。(なぜかはわからないけど、なりますw)

参考リンク:くろくまそふと | 「EasyNegative」の使い方!美少女イラストのクオリティを手軽にアップさせよう【Stable Diffusion web UI】


【サムライ・善・人間(女)】を生成してみよう!

実際にウィザードリィ外伝に実装させたサムライ画像の生成データがこちらです。

このイラストを生成するための

ポジティブプロンプト

((masterpiece:1.4, best quality)), ((masterpiece, best quality)), (photo realistic:1.4)
professional lighting, physically-based rendering,(((black background and flat background)))
very cool, big eyes, extremely detailed eyes and face, eyes with beautiful details, full body,
{{illustration}}, {ultra-detailed}, perfect anatomy,

samurai girl,japanese KATANA,muramasa blade,black wavy hair,
{fusion silver plate armor and {{{KIMONO}}}},
white metal glove, metal long boots,
shoulder armor

ネガティブプロンプト

(EasyNegativeV2:1.3),(bad anatomy:1),(worst quality, low quality:1.8),(censored,displeasure:1.4),monochrome, greyscale, text,watermark,mattress,blurry,(3d,realistic:1.2),(standing,muscular,see-through:1.3),(displeasure,lady:1.3),(maid,frills:1.3),(pleated_skirt:1.2),(corset:1.3),trousers, symmetrical bangs, (elf ear,animal ear:1.2),(city:1.3),flat color, flat shading, nsfw, retro style, poor quality, bad face, bad fingers, bad anatomy, missing fingers, low res, cropped, signature, watermark, username, artist name, text

設定

Steps:35
Sampler:DPM++ 2S a Karras

いっぱい生成してお気に入りを見つけよう

同じ設定、同じプロンプトでも生成されるイラストは毎回けっこう違います。
※設定次第で同じ絵や顔を何度も出す方法もあるようです(まだそこまで理解していないw)

なので、いくつも生成して自分にとってベストなイラストを見つけるのが最善の方法でした。


ポートレート用画像を作ろう

Steam版『ウィザードリィ外伝 五つの試練』公式サイトに「ユーザーポートレートサンプルデータ」が公開されています。

作り方はサンプルデータを参考に画像をトリミングする程度の簡単な画像加工作業です。

Adobe Photoshopなど画像加工ツールがあると簡単にできますが、Windows付属のペイントなどでも作業自体は可能だと思います。

リンク:ユーザーポートレートサンプルデータ

リンク:Steam『ウィザードリィ外伝 五つの試練』ガイド | ウィザードリィ外伝 五つの試練 カスタムポートレート非公式ガイド


超注意!:gamespark「オリジナル冒険者で探索しよう!『ウィザードリィ外伝 五つの試練』アイコン画像作成ガイド」は情報が古く現在のバージョンには対応していないので見てはいけない!

「ウィザードリィ外伝 ポートレート 作り方」などで検索するとGameSparkの記事が一番上に表示されます。ここのページを見てはいけません!

このページに書かれている情報は2023年5月現在としては古いバージョンの情報しか載っておらず、画像の作り方は変わらないので参考になりますが、各画像の「ファイル名」や作った「ファイルの保存先」などが現在のバージョンと全く異なります。

そのため、書いてある通りにしても「ゲームには画像が反映されません!

最新の情報はSteam内の「ガイド」に書かれているので、必ずSteam内のガイドを参考にしましょう。

※今後GameSparkの同ページが更新されて現在のバージョンに反映した作成ガイドが掲載されたらこちらは削除します。

リンク:Steam『ウィザードリィ外伝 五つの試練』ガイド | ウィザードリィ外伝 五つの試練 カスタムポートレート非公式ガイド


ポートレート画像:アイコン(小)

ファイル名:face_a.png
画像解像度:96ピクセル x 96ピクセル

使用される場所:ステータス画面の名前の右側に表示されるアイコンです。
UIが「3:2 Mode」の時に表示されます。


ポートレート画像:アイコン(横長)

ファイル名:face_b.png
画像解像度:270ピクセル x 96ピクセル

使用される場所:ステータス画面の名前の右側に表示されるアイコンです。
UIが「HD Mode」の時に表示されます。

※face_b.pngを用意しない場合「アイコン(小)」が表示されます


ポートレート画像:ステータス用画像

ファイル名:face_c.png
画像解像度:1920ピクセル x 1080ピクセル

使用される場所:ステータス画面右側枠外に表示される大きな画像です。


ポートレート画像:戦闘用画像

ファイル名:face_d.png
画像解像度:1920ピクセル x 1080ピクセル

使用される場所:戦闘画面でコマンド選択時に使われる画像です。


ポートレート画像:宝箱解錠画像

ファイル名:face_e.png
画像解像度:1920ピクセル x 1080ピクセル

使用される場所:戦闘終了後の宝箱対応時に使われる画像です。

※戦闘画像と同じものでOKなのでコピーしてファイル名変えるだけでも大丈夫です。


画像の保存先

上記「face_a.png」~「face_e.png」を「face1」から「face100」の好きな数字のフォルダに「1キャラづつひとまとめ」に入れます。

※今回は仮に「face33」フォルダだとします。

この「face33」フォルダを

C:\Program Files (x86)\Steam\steamapps\common\Wizardry The Five Ordeals\Data\User\face

にコピーすれば準備完了です。
※上記アドレスはSteamの基本的な保存場所です。
自分で違うハードディスクに設定した場合等は任意の場所を探してください。


ポートレートの設定方法

まずはゲームを開始します。

町外れ

訓練場

キャラクターを調べる

変更したいキャラクターを選択

マークの変更

ユーザー設定

まで来たら先程の「face33」を選べば先程いれた画像がそれぞれの場所に反映されるはずです。


AIによる画像生成は出来たけど、画像加工どうすればいいかわからないしできない!!という場合

「Steam版『ウィザードリィ 五つの試練』用ポートレート作成支援ツール」というツールを作った方が公開しています。

こちらのツールを使うとポートレート用に画像のトリミング等を簡単に行うことができるのでPhotoShop等の画像加工ソフトがなくてもポートレート画像を作ることができます。

リンク:Steam版『ウィザードリィ 五つの試練』用ポートレート作成支援ツール


ポートレート画像のバリエーション案

ステータス画面や戦闘用画像は公式サイトや製品紹介でもどれもキャラクターの周りが透明になっているものがほとんどです。

それもあってか、僕自身もキャラの周りは透過させなければ!と思っていました。

AIイラスト生成時に「black background」と指定してもなかなか指示通り黒や単色背景が生成されず背景まできっちり描きこんだものが多いので、ならば「トレーディングカードやソーシャルゲームのカード画像」みたいにすればいいのでは?と思いフレームの中に納める画像形式を試してみました。

これなら背景が描かれていても「カード」なので違和感がなく、実際にゲーム画面に表示させても「これはこれでアリかも」と思えてきました。


まだまだ続く、キャラクターイラスト作成!(ゲームはどうした)

AIイラストは様々な人が日々研究しており、新しいプロンプトやモデルデータが公開されるとガラっと印象が変わることもよくあります。

この記事作成前段階ではアイキャッチ画像に使っていたサムライガールが最高のデキ!と思っていましたが、本日5月15日に公開された「BreakDomain _m2150」を使用すると、上記サムライガールと全く同じプロンプトで雰囲気が今までと違う絵が生成されて「全キャラ作り直しだ!!」という気持ちになっています(笑)

ウィザードリィ外伝の全種族、職業、性格のキャラを準備はさすがに大変なので、いつも使うメインパーティ分のポートレートを用意・実装した状態で『戦闘の監獄』を始めるのが現在の目標です。

なかなか思い通りの絵が生成されてこないこともあり大変…というか普通にゲームクリアするくらいの時間使ってそうな気もしますが、このイラスト生成が既にウィザードリィのキャラメイキングだと思えば良いボーナスポイントが出るまでキャラメイク繰り返してるのと同じかな、という思えてきました(笑)





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