SSD稼働専用ラズパイ5ケース『Argon ONE V3 M.2 NVME PCIE Case』

2024年2月にやっと国内販売が始まったRaspberry Pi5(以下、ラズパイ5)は、むき出しの基板状態で販売されているのでそのまま使うか自分でケースを調達する必要があります。

リンク:Raspberry Pi5にエミュレータ統合ソフト「Retropie」をインストールする!!(2/16更新)

これまでのラズパイシリーズも公式から出ているプラケースの他、世界中様々なメーカーから多種多様なケースが発売されているので、まだ発売したばかりでラインナップが乏しいラズパイ5用のケースも徐々にラインナップが充実してくるはずです。

ラズパイ4の頃から愛用しているArgon40社のケース「Argon ONE」シリーズがラズパイ5に対応したバージョンを発売したので購入しました。


パッケージ

フルカラーの紙パッケージです。
ケース自体の形状がラズパイ4の「Argon ONE V2」とそっくりなので「Designed for Raspberry Pi 5」と記載されているラズパイ5用であることをしっかり確認してから購入しましょう。


インターフェイス

USBとLAN端子はラズパイ5のものがそのまま露出しています。

HDMIはラズパイ5のmicro HDMIから通常サイズのものに変換されているので一般的なケーブルがそのまま使えます。

電源用のUSB-Cも本体と機能変わらずです。

電源の上にあるヘッドフォン端子は2024年2月末時点では別売りの拡張ボードが発売されていないため機能しません。

LAN端子の上にあるのが電源スイッチです。

本体上部の蓋を取り外すとGPIOが全ピンアクセスできるので、GPIOを使った各種拡張もケースに入った状態で行えます。

ピンのスグ横にピンアサインがプリントされているのも地味ですが嬉しい所です。


ラズパイ4用ケースと比較

ラズパイ4用の同型ケース「ARGON ONE V2」と比較です。

ケースの形状はV2を踏襲してほぼ同じ形で、本体上部側面のスリットが若干大きくなっている程度の違いしか見当たりません。

カラーリングがV2がガンメタでV3がブラックと若干変わっている程度です。

インターフェイス部分もほぼ同様ですが、底面に入っているSSDへのアクセスがV2ではUSB-3を使っていましたがV3ではラズパイ5に新たに追加されたPCI Express(PCIe)を使っているのでケース内部で完結している事でUSB端子がフルに使えるのと、インターフェイス部分がスッキリしています。

USB端子とLAN端子の配置がV2とV3で違うのはどちらもラズパイ4とラズパイ5本体部分がそのまま見えているのでケース理由ではなく本体由来のものです。


商品構成

中に入っているもの一式です。

  1. ケース上部分(冷却ファンやGPIOピンなどの基板と一体化)
  2. ケース下部分(SSDマウント用基板と一体化)
  3. HDMI&電源延長基板
  4. ネジやフラットケーブルが入っている袋
  5. 説明書(上記写真には写っていません)

組み立て

1:ラズパイ5にHDMI&電源延長基板を取付

HDMI&電源延長基板をラズパイ5のUSB-C、HDMI端子に接続します。

3つの端子に同時接続するので少し挿す感触は固めですが、しっかりと3端子とも奥まで差し込みます。


2:フラットケーブルの取付

ラズパイ5のPCI Express(PCIe)端子にフラットケーブルを取り付けます。

コネクタ上部についている黒いパーツを軽く上に持ち上げるとロックが解除されます。

フラットケーブルを挿し込んで黒いパーツを下に戻すとロックされてケーブルが外れないようになります。

フラットケーブルの向きは「ラズパイの内側が金属面」であることに注意して奥まで差し込んでからロックします。

ロックした後に軽くフラットケーブルを引っ張ってみて取れなければOKです。強い力でひっぱるとロックが壊れて外れてしまうので、軽めに引いて確認してください。


3:ヘッドフォン端子用DACの取付(パーツ未発売の為現状オミット)

ケース上部に別売りの拡張パーツ「Argon ONE BLSTR DAC Board」を取り付ける事でヘッドフォン端子が使えるようになります。

が、2024年2月末時点で「Argon ONE BLSTR DAC Board」はArgon40社の公式ストアですら未発売のため、この作業は飛ばします。

そのため、現段階ではヘッドフォン端子からの音声アウトプットは機能しません。


4:ラズパイ5をケース上部に取付~フラットケーブルをケース下部に取付

最初に組み立てたラズパイ5とHDMI&電源延長基板をケース上部に取り付けます。

ケース上部に取り付ける時に、事前に取り付けたフラットケーブルがケース内に巻き込まれてしまわないように注意しましょう。

フラットケーブルはケース下部分のコネクタに接続します。
ケース下部分のフラットケーブル接続端子のロックは上記写真の向きだと「左」に動かすことでロックが外れます。
ケーブルは「上が金属端子」の向きに挿し込んでロックパーツを右に戻すことでロックされます。

フラットケーブルの差し込みとケース上部にラズパイ5が入ったら上記写真の向きで「ラズパイ5の右下」、「HDMI&電源延長基板の左下」の2箇所をねじ止めします。


5:ケースを閉じて組み立て完了

ケース上部とケース下部を繋ぐフラットケーブルに注意しながらケースを閉じて4箇所ネジ止めしたらケースの組み立ては完了です。


SSDの取付

組み立て完了した底面真ん中4つのネジを外すと「M.2 NVMe」のSSDスロットが現れます。
中に熱伝導シートが入っているので一旦取外し、SSDを接続した後に貼り付けて蓋を閉じると蓋部分がヒートシンクとして放熱する仕組みになっています。

SSDは取り付け前にPCに接続してOSをインストール完了しておく必要があります。

※SSDにインストールされているOSからの起動については、日本で流通されているラズパイ5のブートローダが対応しているので、特に設定など行わなくても自動的に認識して起動できました。


電源ボタンとファンコントロール用のプログラムをインストール

OSが入っているSSDの取付が完了したら、各種配線をして電源を入れて起動します。

まだこの段階では

1:電力を最適化し、NVMeから起動するようにEEPROM設定を構成します。

curl https://download.argon40.com/argon-eeprom.sh | bash

2:次に制御スクリプトとConfig.txt設定をインストールします。

curl https://download.argon40.com/argon1.sh | bash

3:再起動

再起動後は電源ボタンを押すことで電源のオンオフ、ラズパイの温度に応じてのファン動作が実行されます。

※デフォスト設定で問題なく通常の動作を行うことができますが、ケース上部に設定変更用のピンが付いていてショート位置を変えることでパワーボタンを押した時の挙動が変わるようになっています。

おまけ:アンインストール

このケースを使わなくなった時にはこれらのスクリプトをアンインストールします。

argonone-uninstall

公式サイトの説明書リンク

英語での記載になりますがパッケージに入っているものと同じ説明書が公式サイトで公開されています。

リンク:ARGON40 Engage Our Community of Argon Makers


はやく日本でも取り扱い開始してくれー!!

と、ここまで紹介してきましたが、残念ながら2024年2月末時点では日本国内では販売していません。

Argon40のオフィシャルストアでも販売開始時に完売して以降再販が無いので、入手するのは少し時間がかかりそうです。

ラズパイ4用モデル「ARGON ONE V2」やArgon40製品は千石電商さんで取り扱いっているので、待っていればこのARGON ONE V3も取り扱ってくれると期待しています。




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