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「CPicS2」を使ってカプコンのアーケードゲーム基板「CPS2」を電池レス化
Contents
  1. CPS2は扱いやすいそうに見えて実はけっこう厄介な子…(2回目)
  2. 電池切れ、液漏れの恐怖から開放してくれる救世主、CPicS2
  3. CPicS2のTYPE-A/TYPE-Bどちらを使えば良いのか見分け方
    1. 基板に"6本ピンが無い"ものはTYPE-A
    2. 基板に"6本ピンがある"ものはTYPE-B
    3. ゲームのタイトルと基板のバージョンは一定じゃない!
    4. [雑談]新しいタイトルに古い基板が使われている理由は……。
  4. CPicS2を組み立てる
    1. 組み立てに必要な工具
    2. 無くても大丈夫!でもあると便利な工具
  5. PICにプログラムを書き込む
    1. 「cpics2_gen」を入手する
    2. キー情報を入手する
    3. 説明書最終ページから電池レス化したいゲームのセット名を探す
    4. 「2」でダウンロードしたファイルから電池レス化したいキー情報を探して「key.txt」にペーストする
    5. 「cpics2 gen.exe」を実行してPICに書き込むプログラムを生成する
    6. PICライターを使ってPICにプログラムを書き込む
    7. キー情報が書かれたPICが完成!
  6. CPS2サブボードの電池を取り外す(一時的な基板死!!)
  7. CPicS2をCPS2サブボードに取り付ける
    1. TYPE-Aの場合
  8. 起動確認!!(ドキドキの瞬間)
  9. やらかしちまった起動しない失敗例
    1. 書き込むキー情報を間違えていた
    2. 正しいキー情報をPICに書き直したのに起動しない!
    3. 解決方法:CC1コンデンサの電荷を抜き、正しいキー情報のCPicS2を再び取り付けたら無事起動!
    4. PIC単品でも買えるので失敗しても大丈夫!
  10. 電池レス化を失敗して学んだ教訓
    1. キー情報は正しく焼こう!
    2. キー情報を間違えたまま基板に刺して動かなかった時は、慌てず放電!(電池跡地横のCC1を触る)
    3. キー情報は正しく焼こう!!(2回目)
    4. 動いたんだからいっぱい遊ぼう!
    5. キー情報は正しく焼こう!!!(3回目)
  11. CPicS2の入手先
  12. CPicS2以外の電池レス化について
    1. Undamned InfiniKey-CPS2
    2. ROM交換
  13. [雑談]CPS2の電池レス化は「修理」なのか「改造なのか」というお話
  14. [参考資料]我が家のCPS2タイトルはCPicS2TYPE-A/Bどちらを取り付けたか?

CPS2は扱いやすいそうに見えて実はけっこう厄介な子…(2回目)

前回、CPS2のマザーボード(Aボード)に取り付けられているファンを静音化しました。

関連リンク:カプコンのアーケードゲーム基板「CPS2」マザーボードのファン静音化


CPS2を持っていて一番の心配事・厄介事と言えば、マザーボードのファン騒音以上に何と言ってもサブボード(Bボード)に取り付けられているプロテクト用電池です。

この電池が本当に厄介なんです。

  1. 一度電池が切れてしまったら、新しい電池に交換してもゲームが起動しなくなる
  2. 電池の残量を知る手段が外観上に無いので定期的な起動確認やケースを開けてテスター等で電池残量の確認が必要
  3. 電池が基板に直接はんだ付けされていて、気軽に交換するようにはできていない
  4. 電池交換の作業は基板通電時(ゲーム起動中)に行う必要がある
  5. メーカーの修理サービスが終了しているので、基本的には電池交換は自分でやるしかない
  6. 電池自体が経年劣化などで爆発したり液漏れすることがある

現役稼働していた当時は電池が切れてもメーカー修理で復活していましたが、2019年に修理対応も終了してしまったので、せっかく基板を手に入れても電池切れや電池の液漏れで遊べなくなってしまうなど取扱や管理がさらに難しくなると思い、僕自身もCPS2基板自体に手を出すのに躊躇していました。

90年代当時のアーケードゲームや基板に関する書籍などには「ゲームのプログラムがバッテリーバックアップで保存してあり、電池切れでプログラムが消去される」などの記載がありますが、実際にはゲームのプログラムの一部が暗号化されており、その暗号を解読してゲームを動かすための複合キーとなるデータがバッテリーバックアップで保存されています。

2022年現在、バッテリーバックアップで保存されている複合キーをICに書き込み取り付ける改造パーツが個人製作で発売されています。
電池交換の心配がなくなるだけでなく、すでに電池切れで起動しなくなったCPS2基板も復活することができる夢のようなパーツです。
これで電池切れをせずに遊ぶことが出来るようになりました。

※電池の液漏れや爆発などで基板が腐食している場合は治らない場合もあります。


電池切れ、液漏れの恐怖から開放してくれる救世主、CPicS2


サークル「電脳のツボ」さんが頒布している「CPicS2」です。

CPS2サブボード(Bボード)にはいくつかバージョンがあり、そのバージョン違いにあわせて「CPicS2」は「TYPE-A」「TYPE-B」の2種類あります。
自分の持っているCPS2サブボードのバージョンにあったタイプを用意する必要があります。

CPicS2はパーツと基板の状態で頒布されています。
入手したら自分で組み立てと、同梱されているPIC(ICチップ)の中にタイトルにあわせた複合キーの書き込み作業が必要です。

CPS2サブボードへの取付方法もTYPE-AとTYPE-Bで異なります。
どちらも電池の撤去は共通ですが、TYPE-Aははんだ付けや基板に取り付いている抵抗の除去作業が必要で、TYPE-Bはコネクタに差し込むだけです。


CPicS2のTYPE-A/TYPE-Bどちらを使えば良いのか見分け方

写真のようにICチップに貼ってあるCAPCOMラベルが正しい向きにした状態で、基板左側真ん中あたりに6本のピンが出ているサブボードは「TYPE-B」です。
逆に同じ場所に6本のピンが無いサブボードには「TYPE-A」を使用します。

基板に”6本ピンが無い”ものはTYPE-A

基板に”6本ピンがある”ものはTYPE-B

CPicS2のTYPE-A/TYPE-Bどちらを使えばよいのか、見分け方ですがCPS2サブボードのケースを開けて中の基板を見るのが一番手っ取り早いです。
ケースを開けずに調べる方法は、写真右側に見える換気用スリットから懐中電灯などで照らしながら覗き込む方法もあります。
覗いた正面にピンが見えなければTYPE-A、ピンが見えればTYPE-Bです。

※マザーボード、サブボードに分かれていない「CPS2一体型基板」というものも存在しています。
一体型は場所が違いますが6本のピンがあるので「TYPE-B」を使います。


ゲームのタイトルと基板のバージョンは一定じゃない!

「ヴァンパイアはA」「マヴカプはB」と言った感じでゲームタイトルと基板のバージョンが決まっていればよかったのですが、残念ながらゲームタイトルと基板のバージョンは一致していません。

さらに、発売年でバージョンが変わっているかと思ったら、ある程度は「前半に出ているタイトルはA、後半に出たタイトルはB」と予想出来ますが、必ずしも一致しませんでした。
僕の元にやってきた『ストリートファイターZERO2』がTYPE-Bで『ストリートファイターZERO3』がTYPE-Aというゲームの稼働タイミングと関係ないことがわかりました。

さらにさらに、同じタイトルでもTYPE-Aを使用する基板、TYPE-Bを使用する基板に遭遇もしました。

[雑談]新しいタイトルに古い基板が使われている理由は……。


発売年やタイトルで基板のバージョンが一定でない理由は、当時のアーケードゲーム基板の販売方法として交換販売があった事が理由の一つです。

上記画像は『パワードギア』が発売される時にゲームセンター向けに配布されたチラシです。
CPS2のタイトルはAボードとBボードをセットで販売する「PCB価格」とBボードのみ販売してゲームセンターでタイトル交換を行う「ソフトボード販売」の他に、過去タイトルを回収して値引き販売する「ソフト交換販売」がありました。

90年代当時、テレビゲームショップやビデオレンタル店等のゲームセンター以外でもカプコンのアーケードゲームが遊べました。
全てではありませんが、ゲームセンター以外に設置されたカプコンのアーケードゲームは、カプコンがお店に置かせてもらい、売上を折半する現在の自動販売機と似たビジネスモデルで展開されていました。

上記の「ソフト交換販売」で回収されたサブボードはカプコンで中身のROMを交換され、別のタイトルとしてそういった場所でリサイクル稼働していたものも多くあります。


これは2021年末に入手した『パワードギア』のサブボードのラベルです。
そういった経緯を辿って長年様々なタイトルとして稼働してきたものなのか、ラベルシールは複数枚重ね張りされていました。

うっすらと『ヴァンパイア』のロゴが透けています。


CPicS2を組み立てる

『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』 CPicS2 TYPE-B
『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』 CPicS2 TYPE-B

CPicS2の説明書が公開されているので、まずは熟読してから組み立てます。
作り方は公開されている説明書に詳細に書かれています。
ハンダ作業を一度でもやったことがあれば、細かい部品も少ないので簡単に組み立てられると思います。
組み立てが完了した後は説明書に記載されているチェック項目をテスターで確認して、ちゃんと接続されているか確認します。

もし、これがハンダ作業初体験なら、作業前にハンダ付けの練習キットで練習した方が良いです。

リンク:CPicS2取扱説明書 V1.3b nosuke@電脳のツボ

組み立てに必要な工具

  1. ニッパー
    TYPE-Aのケーブル被覆剥きやサブボードから電池を除去するのに必要です。
    ケーブル被覆剥きはハサミでも出来ます。
  2. はんだごて
    一般的なものでOKです。
    小中学生時代に技術家庭科の授業でラジオを作ったことがあればそれで問題ありません。
  3. はんだ
    これも一般的なものでOKです。
    「電子工作用」として売っているものを選べば間違いありません。


参考リンク:マルツ「電子工作に必要な工具の種類と使い方 その1【ハンダ付け編】」

無くても大丈夫!でもあると便利な工具

  1. ケーブルストリッパー
    ケーブル被覆剥き専門工具です。
    無くてもハサミやカッター、ニッパーで出来ますが専門工具だけあって簡単にどんどん被覆が剥けます
  2. テスター
    うまく動作しない時、原因を探るのに必要です。
    毎回一発でうまく動けば必要ないんですけどね……。
  3. ツールクリップ(ハンズフリーツール)
    基板やケーブルをクリップがつかんで固定する台です。
    ハンダ作業をする時に手があくので便利です。
  4. ハンダ工作練習キット
    もしハンダ作業が未経験なら、まずは簡単なラジオ等の電子工作キットを作ってみるのがオススメです。
    ただのハンダ付け練習基板よりも光ったり音が鳴ったりと工作の結果がしっかりわかるほうがモチベーション上がります。


PICにプログラムを書き込む


CPicS2に付属しているPIC(ICチップ)「12F509」に、プログラムを書き込む作業です。
CPicS2を使った電池レス化作業を始める前段階で一番わかりづらい部分だと思います。

作業工程はこんな感じです。

  1. 「cpics2_gen」を入手する

    説明書に記載されているリンクから「cpics2_gen.zip」をダウンロードして任意の場所に展開しておきます。

  2. キー情報を入手する

    CPicS2には電池レスに必要なキー情報は提供されていません。
    説明書には「CPS2 Desuicider のソースコードなどから、CPicS2 の装着先の基板に適合したものを抽出してください」と記載があります。
    「CPS2 Desuicider」で検索するとgithubが見つかりますので、ここから「ArcadeHacker_CPS2.ino」をダウンロードして保存しておきます。
    書かれているプログラム自体は内容がわからなくても現段階では問題ありません。
    「このよくわからん文字列の中にキー情報があるんだな」と覚えておけば大丈夫です。

  3. 説明書最終ページから電池レス化したいゲームのセット名を探す

    『エイリアン VS プレデター 』の日本版なら「avspj」、『ストリートファイター ZERO』の欧州版なら「sfa」という感じでリストから見つけ出します。
    説明書にも書かれていますが、似ているタイトルや、どの国のもの(リージョン)なのか、ここを間違えると起動できないのでしっかり確認しましょう。
    ※説明書にも「パワードギア (pgear) と プロギアの嵐 (progearj)」等、間違いやすい例が記載されています。

  4. 「2」でダウンロードしたファイルから電池レス化したいキー情報を探して「key.txt」にペーストする

    「2」でダウンロードしたArcadeHacker_CPS2.inoをテキストエディタで開き、「3」で調べたセット名を検索します。
    46行あたりから始まる4桁づつ区切られた英数字(16進数で書かれたキー情報)のあたりがヒットすると思います。
    『エイリアン VS プレデター 』の日本版なら「avspj」で検索すると64行目がヒットしました。
    ここに記載されている「0x0F,0x00,0x02,~」という文字列を「1」でダウンロードして展開した中にある「key.txt」にペーストして保存します。

  5. 「cpics2 gen.exe」を実行してPICに書き込むプログラムを生成する

    「4」の作業で「key.txt」の保存が終わったら、同じフォルダに入っている実行ファイル「cpics2_gen.exe」をダブルクリックします。
    すぐに作業完了を示すウインドウが開きます。
    今回電池レス化するゲームのセット名が表示されているので、正しく表示されているか確認します。
    同フォルダ内に「cpics2prg.hex」というファイルが出来上がります。

    「key name:mshvsfj」と書かれているので『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』日本版のキー情報が生成されました。

  6. PICライターを使ってPICにプログラムを書き込む

    「5」で作った「cpics2prg.hex」をPICライターを使ってPIC「12F509」に書き込みます。
    書き込み方法はPICライタごとに異なりますのでライタのドライバやツールを確認してください。

  7. キー情報が書かれたPICが完成!

    電池レス化のためのキー情報が書かれたPICが完成です。
    あとはCPicS2に取り付けて、CPS2サブボードに取り付ければ電池レス完了です。


やり方自体は説明書に詳しく記載されているのでしっかり読めば難しいこともなく、慣れてくると作業自体も数分で終わる簡単な工程です。

です、が!
SDカードやCD-Rにプログラムやデータを焼き込みをやったことはあるものの「PICにプログラムを書き込むって何!?」という所からのスタートだった僕には全く未知の領域でした。
さらに、書き込むためのツールが無い!何を買えばいいのか解らない!!と現在も試行錯誤中です。

今使っているのはaitendoで2480円で販売している「ミニPICライタ [K149BC]」です。


現在もこのライタを使ってCPicS2のPICにプログラムを書き込んで、いくつものCPS2を電池レス化しています。

しています、が!!
このPICライタ、Windows10以降には対応したプログラムが無いのでWindows10や最新の11では動きませんでした。
実際にはドライバ等のインストールは完了しますが、書き込みソフトがライタを認識することができませんでした。
たまたま我が家に残っていたVAIO PのOSがWindows VISTAだったので試してみたところ、一発でライタを認識したので、10年近く使っていなかったVAIO Pは現在CPS2の電池レス化の為のPIC書き込み専用マシンになっています。

Windows10や11でも使えるオススメのPICライタがあったらぜひ教えてください!


CPS2サブボードの電池を取り外す(一時的な基板死!!)


電池レス化するために電池を基板から取り外します。
ニッパーを使って基板とつながっている電線をカットすればOKです。

※TYPE-Aの場合は電池を取り外した2箇所の接続穴を使って基板の足場を作るので、ハンダ除去してピン自体を取り外す必要があります。
※取り外した電池の処分は住んでいる地域で指定された方法で行いましょう。

電池を取り外した後、電源を入れてみると数分~数十分は通常通りゲームが起動する場合があります。
これは基板内のコンデンサに電力が残っていてキー情報が消えていない為です。

電池の左側にある「CC1」と基板に書かれているコンデンサの足部分にピンセットやケーブルを接触させて電荷を抜くと電池切れの状態になります。
この状態で電源を入れると電池切れ状態なのでゲームは起動せずに画面が真っ白や水色だけが表示されます。

これまでCPS2の電池切れを経験していると「基板が死んだ」状態になるので心拍数が上がり冷や汗がでる時間です。
「今まで電池で普通に動いていたんだから、わざわざ外す必要あったんだろうか」「もしこのまま動かなくなったらどうしよう」とネガティブな方向に考えが何度電池レス化している今でも浮かんできます。

浮かんできますし緊張が続きます、が!!!
この後、電池レス化をして電池の心配なくゲームが起動するまでもう少しです!


CPicS2をCPS2サブボードに取り付ける

TYPE-Aの場合

電池を取り外した後、TYPE-Aの場合は更に基板に取り付けられている抵抗の取り外しもあります。
その後、CPicS2 TYPE-Aを説明書に記載されている箇所にCPicS2のケーブルをハンダ付けしていきます。

細かい配線ですが、決して難しい取付箇所はありませんので慎重に一つづつハンダ付けしていけば作業完了です!


TYPE-Bの場合
サブボードに付いている6ピンにCPicS2 TYPE-Bを挿し込むだけ!!
挿し込む向きだけはしっかり確認しましょう。


起動確認!!(ドキドキの瞬間)


CPicS2の取り付けが完了したら、カバー取り付けの前に起動確認を行います。
ここでゲームが通常通り起動すれば大成功です。

起動しなかった場合……何らかの失敗をしているので説明書を改めて読み返しつつ失敗箇所を探り当てて直していきます。
説明書にも様々なトラブルシューティングが書かれていますが、これまで何度も失敗しているので実例を記載していきます。





やらかしちまった起動しない失敗例

書き込むキー情報を間違えていた


PICに書き込むキー情報は「cpics2prg.hex」ですが、同フォルダに入っている「template.hex」をPICに書き込んでいました。
テンプレートなので、そりゃ当然起動しません。
すぐに正しいキー情報をPICに書き込んでCPS2に取り付けました、しかし……。

正しいキー情報をPICに書き直したのに起動しない!

「template.hex」をPICに書き込んでしまったことが分かったので、再度正しいキー情報を書き込んでサブボードに取り付けましたが、症状は全く変わらず起動しませんでした。

画面には何か文字が表示され、すぐに白一色になる「電池切れ」とは違う挙動だったのでCPicS2を取り外して起動してみた所、しばらく同じ挙動だったので「間違えたキー情報が基板に残っている」という状態でした。

解決方法:CC1コンデンサの電荷を抜き、正しいキー情報のCPicS2を再び取り付けたら無事起動!

電池取り外しの時と同じで、間違えたキー情報が基板に残っていたのでコンデンサをショートさせて電荷を抜き、改めてCPicS2を取り付けると、無事に起動することができました!!

PIC単品でも買えるので失敗しても大丈夫!

PIC書き込みで失敗した場合、中のデータを消去して再度書き込めば問題なく使えますが、書き込み失敗で使えなくなったり消したはずのデータが消えていなかったなどの失敗もありました。
その場合、PIC単体でも入手可能です。1個140円と値段も手軽なのでうまくいかない時や失敗した時は単品で追加購入して新たなPICに書き込んで試してみましょう。

リンク:秋月電気 PICマイコン PIC12F509-I/P


電池レス化を失敗して学んだ教訓

  1. キー情報は正しく焼こう!

  2. キー情報を間違えたまま基板に刺して動かなかった時は、慌てず放電!(電池跡地横のCC1を触る)

  3. キー情報は正しく焼こう!!(2回目)

  4. 動いたんだからいっぱい遊ぼう!

  5. キー情報は正しく焼こう!!!(3回目)


CPicS2の入手先

2022年12月現在、CPicS2は同人サークルによる個人制作ハードということもありTYPE-A/Bともに若干品薄で入手困難な状況です。
オンライン販売しているショップや頒布元のサークル様のSNSなどで随時出荷~入荷状況が告知されているのでこまめにチェックして、販売開始の情報を見逃さないようにするのが最善の方法です。

現在取り扱っているオンラインストアは下記2店舗です。

AMFガジェット通販部
リンク:CPicS2 TYPE-A | CPicS2 TYPE-B

BEEP通販部
リンク:CPicS2 TYPE-A | CPicS2 TYPE-B


CPicS2以外の電池レス化について

CPS2の電池レス化はCPicS2以外にもいくつか方法があります。

Undamned InfiniKey-CPS2


CPicS2同様に、CPS2サブボードに取り付けるタイプの電池レス化パーツです。
CPicS2と最も違う部分はキー情報がCPS2全タイトル分搭載されているので書き込み作業が不要な所です。
画像下の0~7番の丸部分をタイトルごとに指定された通りショートさせることでキー情報が決定される仕組みです。

日本国内での取扱は以前KVClab.さんが行っていましたが2022年現在は取り扱っていません。
海外で取り扱っているストアでも現在品切れ状態が続いており入手が難しい状態です。

ROM交換

暗号化した状態で保存されているプログラムを、暗号を解いた状態(復号化)で保存しなおしてCPS2基板に取り付ける方法です。
CPicS2やInfiniKeyが登場する以前、2000年後半~2010年代には電池切れの呪縛から開放される唯一の手段でした。

ROM交換するのにあわせて、本来のタイトルには無い独自に機能を追加した「Phoenix-edition」と呼ばれる改造も海外を中心に行われていました。
起動時にタイトルやバージョンにあわせて「Phoenix-edition」と表示されていたので改造基板と無改造基板の見分けは一発でできました。
国内でもオークションなどでたまに出品されることがありましたが、最近はすっかり見なくなりました。


[雑談]CPS2の電池レス化は「修理」なのか「改造なのか」というお話

本来プロテクトの目的で搭載された「キー情報を電池で保存する」という方法を解除して遊ぶ行為は「修理」なのか「改造」なのか、SNSでもたびたび議論されているのを目撃します。

権利的な話以外にも多少なりとも基板自体に手を加えているので、動いているゲームがゲームセンターで遊んでいたものと完全に一致しているのか、何か違いがあるかもしれないという話もよく話題になっています。

CPicS2はキー情報以外には触れておらず、TYPE-Aでは配線などの取り付けもありますが、再び電池や抵抗を取り付けて元の状態に戻すことが可能なので、僕の個人的な考え方としては「修理」や「動態保存方法の一つ」だと考えています。

CPicS2やInfiniKeyが登場する以前に行われていたプログラム自体の書き換えやゲームにかかわる部分のROM交換はゲーム自体に触れているので改造だと思いますし改造方法によってはマルチランゲージ化など内容自体が変更されているものも存在しました。
当時電池切れで破棄処分するしか道が無かったCPS2基板を継続して遊べるようにするには他に手段は無かったので当時は仕方ない方法だと思っています。

もちろんこれらは僕自身が個人的に電池切れや電池爆発の危険性を排除して長く安全に遊べるようにする方法としてアリだと思っているという話です。
反対にどんなに不便でリスクがあったとしても定期的に電池を交換して「当時と全く同じ状態でこれからも使い続けたい」という考え方も間違えているとはおもいません。

自分のゲームに対する考え方にあわせた方法で保存、運用すれば良いと思います!


[参考資料]我が家のCPS2タイトルはCPicS2TYPE-A/Bどちらを取り付けたか?

※上でも書いた通り、同じタイトルが必ずしも同じ基板バージョンや対応するCPicS2タイプである保証はありません。
あくまでも参考として御覧ください。

『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』 CPicS2 TYPE-B
『マーヴル・スーパーヒーローズ VS. ストリートファイター』 CPicS2 TYPE-B
『サイバーボッツ』 CPicS2 TYPE-B
『サイバーボッツ』 CPicS2 TYPE-B
『パワードギア』 CPicS2 TYPE-A
『パワードギア』 CPicS2 TYPE-A
『ストリートファイターZERO3』 CPicS2 TYPE-A
『ストリートファイターZERO3』 CPicS2 TYPE-A



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