カプコンのアーケードゲーム基板「CPS2」マザーボードのファン静音化

CPS2は扱いやすいそうに見えて実はけっこう厄介な子…

カプコンのアーケードゲーム基板「CPシステムII」通称、「CPS2」は『スーパーストリートファイターII』や『ヴァンパイア』、『MARVEL vs. CAPCOM』など90年代後半のゲームセンターやアーケードゲームシーンを盛り上げたシステム基板です。

通称「マザーボード」と呼ばれるAボードと、「サブボード」や「ロム」と呼ばれるBボードで構成されています。
ファミコンやコンシューマゲーム機の本体がAボード、ゲームソフトがBボードに相当します。

Aボード、Bボードともに基板自体はプラスチックの外装に収納され、直接端子部分に触れる心配がない一見親切設計な基板に見えますが他のアーケードゲーム基板と同様、ゲームセンターで使用する業務用で一般家庭で使用することを想定していないのでそのまま使うと色々と不都合もあります。

具体的にはこの2つが自宅使用する上で気になるところです。

  • Aボードに搭載されたファンの稼働音が爆音
  • Bボードに搭載された電池が交換を前提としておらず、電池が切れると交換してもゲームが起動しなくなる

今回はAボードの静音化を行った時の記録です。
通常、アーケードゲームはアストロシティやミニキュートといった筐体の中に入った状態でゲームを動かすので、そこまでファンの音は気にならないかもしれません。
さらにゲームセンターの場合、たくさんのゲームから流れるゲームミュージックや店内BGM、他のプレイヤーの会話など様々な音に囲まれているので筐体の中で動いているファンの音まで意識がいかないと思います。

アーケード筐体に入れず、CPS2を露出した状態でプレイする自宅環境ではファンの駆動音がモロに聞こえるので、部品交換だけの簡単な作業で完了するファンの静音化をすることにしました。

Bボードの電池レス化もまとめて書こうと思っていたのですが、長くなったので別途記載します。


マザーボード(Aボード)のファン静音化


CPS2のマザーボードを開封した状態です。
写真左側面に付いているのが爆音の原因となっているファンです。
今回の「ファン静音化」はこのファンを同寸法の静音ファンに交換する作業です。

ファン自体はケースに差し込んであるだけなので上にずらずことで簡単に取り外しできます。
ファンから伸びでいる赤と黒のケーブルが基板左下のコネクタに刺さっています。
このケーブルがファンへの電源を供給しています。
特に固定はされていないので上に引っ張れば簡単に取り外すことができます。
静音ファンの取り付けは、逆順にケーブルを基板に挿し込み、ファンをケースに取り付けたら完了です。

ケースを開ける


ケースは特殊形状のネジで閉じられているので普通のドライバーでは開けることが出来ません。
CPS2に使われているもの以外にも多数存在する特殊ネジ用のビットがついている精密ドライバーセットがアマゾンなどで格安で手に入るので持っていると便利です。


CPS2のマザーボード、サブボードともに「真ん中に穴のある六芒星型の20番※」で開けることができました。

※ビットの正式名称わからないのでご存じの方教えてください。

※上記マザーボード写真の左下部分に穴がありますが、ここには開封できないようにするための封印が施されていました。
現在入手できるマザーボードのほとんどは封印が解除された状態のものが多いですが、オークションやフリマサイトを確認すると封印が残った状態のマザーボードも存在しています。
僕が入手したマザーボード2台とも封印がついてなかったので詳細は書けませんが、「CPS2 封印」と検索するとネジ式やネジではない固定具式などがあり封印が付いたマザーボードを開けるために苦労している方のブログや日記を見ることができます。

静音ファンに交換する

静音ファンにはオウルテックの「ケース用DCファン 6cmサイズ 15mm厚(OWL-FE0615LL)」を使用しました。
「超静音」というキャッチコピーと1000円以下という低価格に惹かれてこれにしましたが、サイズが「60x60x15mm」のファンであれば他のメーカーでも大丈夫です。


OWL-FE0615LLは黒、赤、黄の3つの配線が出ています。
元から付いているファンには黒と赤の2つの配線です。
黄色配線は回転数検知の配線ですがCPS2マザーボードでは使用しないので配線しなくて大丈夫です。
黄色配線自体をカットしてもOKですし、写真のように黒と赤だけ基板のピンに挿すだけで問題なく動作しています。

オウルテックのfaqページより引用https://www.owltech.co.jp/sp_faq/faq15-f-h-0001
オウルテックのfaqページより引用 https://www.owltech.co.jp/sp_faq/faq15-f-h-0001

元から付いていたファンと静音ファンの比較です。
よく「掃除機のような音」と言われる爆音から、デスクトップPCの稼働音くらいまで音が小さくなりました。

マザーボード側面スイッチが壊れている場合の代替品

マザーボード側面についている音量調整などに使う3つのボタンです。
一体成型の部品で可動パーツの為、中古のマザーボードを購入するとボタン部分が破損していたり、中にはそもそもボタンがなくなっているものも存在します。

DMM.makeのクリエイターズマーケットにAM.makeさんという方が出品しているのでお好みの素材で3Dプリントしたもの購入することが出来ます。
このボタン部分の仕組み自体は基板についているタクトスイッチを押すだけのシンプルなものなので、もし壊れている場合はこちらを利用して修理しましょう。


リンク:DMM.make クリエイターズマーケット「CPS2 switch(互換スイッチ)」




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