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連射だけじゃない!!アーケードゲームに便利機能を追加する中間コネクター基板

アーケードゲームを遊ぶ時には基板を筐体やコントロールパネルに接続するのが必須の工程です。

基板とコントロールボックスを接続するハーネス(ケーブル)の間に取り付ける事で機能を追加する様々な中間コネクターがあります。

シューティングゲームのショットボタンに連射機能を追加する”連射基板”等がおなじみですが、それ以外にも様々な機能を追加する中間コネクターがあり、アーケードゲームを快適に遊ぶ為の中間基板があるので用途にあわせて使いこなせば更にアーケードゲームが遊びやすくなります。

シンクロ連射基板V1.0

まど氏が制作、販売しているシンクロ連射基板『シンクロ連射基板V1.0』です。

連射基板は80年代~90年代当時から自作のものやゲームセンター向けなど様々なものが開発されたり販売されていましたが、2024年現在も販売されていて値段も手頃で入手しやすいのがこちらの基板です。

JAMMAの同期信号(CSYNC)を利用してボタンのオンオフを行うことから「シンクロ連射」と呼ばれています。

「シンクロ連射は同期信号を使っているので最速」と言われていますが、全てのゲームでゲームの進行やショット速度が信号と同期(=シンクロ)しているわけではなく、ゲーム内のプログラム次第でショットの出し方は変わってくるので「『シンクロ連射=最速』ではない(けど、結構速い!)」と大雑把に覚えておくと使いやすいと思います。

シンクロ連射基板V1.0の主な機能

『シンクロ連射基板V1.0』では1~3の3つのボタンそれぞれに連射の有無や速度を設定することができます。

連射速度は「30」「20」「15」から選択することができます。

また同期信号とボタンの押下タイミングを反転させることも可能です。アーケードゲームの攻略で「シンクロ裏」「シンクロ反転」などと記載されているのがまさにこのタイミングを反転させているものです。

使用するゲームのショットタイミングと映像同期信号のタイミング次第で変わってきます。

せっかく速い連射でもまとまったショットが出て空白タイミングが発生したり、ショット発射タイミングと連射が合わずにショットが出ない場合があります。

“最速のショットが出続ける状態”が連射で求められる挙動なので、ゲームごとに連射速度とタイミングを調整するのが大事です。

入手先

リンク:作者「まど」氏のX(旧:Twitter)

リンク:booth「Madov Labo」

NRS-1 シンクロ連射基板

有限会社ノーチラスが販売しているシンクロ連射基板『NRS-1』です。

「連射基板」として販売されていますが、連射機能以外にもボタン配置の変更や同期信号の補正機能といった連射以外の機能を内蔵した総合的な基板です。

NRS-1 シンクロ連射基板の主な機能

シンクロ連射機能

同期信号を使った連射が設定できます。

速度は毎秒「30」「20」「15」「12」から設定できて、同期信号の反転にも対応しているので、ゲームにあわせて細かく連射速度やタイミングを設定することが可能です。

ボタン再配置・同時押し設定機能

アーケードゲームのボタン配置を自由に変更することができます。

ゲームセンターに設置されているアーケードゲームの場合は一定期間同一タイトルを稼働させるため、専用のボタン配置を決めたらしばらくそのままで大丈夫ですが、家でアーケードゲームを遊ぶ場合にゲームセンター同様にたくさんの筐体を持っていれば同じように複数環境用意できますが、コントロールボックスなどで遊ぶ場合は基板を交換するたびにボタン設定の調整が必要です。

NRS-1では「6ボタン格ゲー配置」「ネオジオ4ボタン配置」「KOF配置」といった自分好みのボタン配置を設定することが可能です。

複数のボタンに同一機能を割り振る事も可能なので連射有りAボタン、連射無しAボタンを設定して好きな位置に配置するといったこだわりのボタン配置も自在にセッティングすることができます。

設定内容を4つ保存可能

ボタン配置や連射の有無は4つまで保存して好きなタイミングで呼び出すことが可能です。

汎用的な配置の他に、よく遊ぶゲームタイトル向けに設定しておけば毎回ボタン配置に悩まされる心配もなくなります。

簡易コントロールボックス「CBoxUSB」でもボタン配置の変更は可能ですが、記憶することができないので毎回設定変更するのが少し面倒だったので、NRS-1を取り付けることで一気に使い勝手があがりました。

CSync Cleaner 機能

アーケードゲーム基板は家庭用ゲーム機とは違いゲームセンターで筐体に入れて動作させる前提の為、映像の信号が全て統一されているわけではありません。

特にタイトーの『レイフォース』『ダライアス外伝』などに採用されている「F3システム」というシステム基板から出ている同期信号は筐体やブラウン管では問題なく表示できていても、HDMIに変換したりRGBケーブルをそのまま接続できる液晶モニタの場合でも同期がとれず全く表示が出来なかったり映像が乱れることがあります。

CSync Cleaner機能を使うことで同期信号を安定させて、同期がとれなかったモニタで表示することが可能になる場合があります。

※ただし、CSync Cleaner機能を使っても全てのモニタで表示できるわけではないので、複数のモニタや動作環境をもっていると原因の切り分けができて便利です。

入手先

リンク:ノーチラスオンラインショップ

RECO PCB V5.0

RGB’s Labが販売している連射機能を含むコントローラ関連設定基板です。

基本的な機能は上記NRS-1と似ており、ざっくり比較すると「CSync Cleaner機能」が無いかわりに設定の保存数が多いという違いがあります。

同一機能を内包した小型コントロールボックス「HAS V5.0」という商品もラインナップされているのでコントロールボックスを持っていない場合は全機能インのHASを選ぶのもオススメです。

ただ残念ながらRGB’s Labは日本国内では展開されていない海外のストアな為、入手するためには海外通販で個人輸入する必要がある為、クレジットカードやPayPalを使った決済や英語でのやりとりなど若干購入の難易度が上がってきます。

RECO PCB V5.0の主な機能

シンクロ連射、非同期連射

同期信号を使った連射と同期信号を使わないRECO内で作られた信号を使った非同期の連射を選択して各ボタンに連射を割り振ることが可能です。

同期信号が安定しない基板や、同期信号ではうまくゲーム内のショットに反映出来ない場合などに有効です。

ボタン再配置・同時押し設定機能

NRS-1と同様にボタン配置を自由に変更することができます。

1ボタンに複数同時押しや、逆に複数ボタンに同一ボタンをアサインすることも可能です。

設定内容を5つ保存可能

設定したボタンレイアウトや連射設定を保存することができます。

さらに事前に「人気レイアウト」が複数プリセットで入っているので最初はプリセットから選ぶだけでも様々な有名ゲームにフィットしたレイアウトで遊ぶことができます。

CSyncバッファリング機能

映像の同期信号を増幅する機能、と説明書には明記されています。

通常はパススルーに設定されていて、モニタとうまく同期できない基板ではこの機能をオンにすることで表示できるようになる、というものです。

ですが、今のところ僕の家にある基板では効果を実感出来るものはありませんでしたのでよく分かっていません。

入手先

リンク:RGB’s Lab

スプリットファイヤー

NorCal Arcade Clubが販売している映像と音声取り出し基板「スプリットファイヤー」です。

JAMMAの映像と音声の信号を取り出してVGAとヘッドフォン端子に出力することができます。

VGA出力の無いコントロールボックスに取り付けてPC用モニタに接続する用途や、コントロールボックスや筐体の映像とは別信号として使って2画面同時に表示させることもできるので配信用途やライブモニタ用に使うことも可能です。

スプリットファイヤーの主な機能

JAMMAの信号から映像と音声を分岐して、映像をVGA(D-Sub 15pin)、音声をヘッドフォン端子(3.5mmミニピン)として出力する事が可能です。

また分岐した映像と音声はボリューム(可変抵抗)で調整することも可能です。

コントロールボックスから出ている映像はRGB21ピンのものが多い中、パソコンモニタなどにも使われていることがおおいD-Sub15ピンのRGBで接続できるようになるので、15khzの映像が映るモニタなら直接接続したりアップスキャンコンバータと接続して15Khzが表示出来ないモニタに表示するといった使い方もできます。

映像、音声どちらも分岐して出力されているのでJAMMAの信号自体はコントロールボックスや筐体側にも送られているので、2画面同時表示したりプレイ用とゲーム画面のキャプチャ用に使用することも可能です。

アーケードゲームを使ったゲーム実況や配信にも活用することができます。

入手先

リンク:KVClab.「JAMMA 映像音声スプリッター 「NAC SPLITFIRE」」

JAMMA2GP2040-CE(人柱版)

コントローラの入力情報を取り出してPCに送り、動画配信時に操作情報を表示することができる装置です。

コントロールボックスから基板への操作信号を自作アケコン(ジョイスティック)のコントローラ基板として使えるGP2040-CEを2つ搭載して、ここからUSB-CケーブルでPCへ接続して情報をおくる仕組みです。

家庭用ゲームとして移植された格闘ゲームなどに実装されている「トレーニングモード」での操作情報の表示に近いものを動画配信で実現することができます。

個人的な動画配信だけでなくアーケードゲームを使用したゲーム大会などでe-Sportsプレイヤーたちの操作を表示できるようにできたりと、様々な使い方ができそうです。

JAMMA2GP2040-CE(人柱版)の主な機能

機能としては「1Pと2Pの操作情報をPCに送る」です。

動画配信ソフトの一つ「OBS Studio」と、OBS Studioからの配信画面にコントローラーやキーディスプレイを表示できる「GameInputDisplay」というプログラムを組み合わせて使います。

JAMMA2GP2040-CEから送られた操作信号をGameInputDisplayが読み取り画面に表示する、という流れです。

JAMMA2GP2040-CEから送られてくる信号はPC側は「USB接続されたコントローラ」として認識しているので、Vtuberのアバターソフト「VMagicMirror」に送ることでアバターがコントローラを操作する動作をさせることも可能です。

下の動画は左下にトレモ風操作情報、右下にゲームプレイしているアバターを表示させたテスト動画です。

デフォルト設定のまま動画撮影したので左下の情報は小さめですが、設定次第でコンシューマゲームの格ゲーに負けない「トレモ風画面」を作る事も可能です!

リンク:OBS Studio

リンク:GameInputDisplay

リンク:VMagicMirror

入手先

リンク:作者「ぽめ」氏のX(旧Twitter)

リンク:booth「ぽめらん」

上手に組み合わせて快適に遊ぼう!

「EASY ARCADE2」の登場でコントロールボックスもさらに小型化され、アーケードゲームを遊ぶ環境もグッと快適になりました。

EA2にもボタンアサイン変更や細かい連射機能、C-Syncを調整する機能が搭載されていますが動画配信用の映像分配や入力信号の取り出しはさすがにできないのでスプリットファイヤーやJAMMA2GP2040-CEと合体させて「VGAとHDMI出力が出来るEASY ARCADE2」・「トレモ動画を配信できるEASY ARCADE2」のように活用することができます。

連射機能やボタンアサイン変更が無いコントロールボックスも多数存在するので、こういった中間コネクター基板を活用して自宅アーケード環境を快適にしていきましょう!

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