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「PLAY! 藝大ゲーム図書館計画(Lv1)」に行ってきました

上野動物園がある東京都台東区にある東京藝術大学の図書館で9月28~29日に開催されている「PLAY! 藝大ゲーム図書館計画(Lv1)」という展示会に行ってきました。

イベント公式サイトに展示概要が記載されています。

今後開設予定のゲーム分野にしても「過去の名作に触れる」「過去の資料を閲覧する」という経験が、創作のためにも研究のためにも重要かと考えております。

もちろん、最初は小さな規模・できることからはじめることとなりますが、今回まずは藝大附属図書館で80年代〜90年代の名作ゲームにふれて遊ぶ機会を作り、将来我々がどのような体験を提供できるかのシミュレーションを、展覧会という形で実施してみることにしました。

ゲームが自由に遊べる図書館が本当に出来たらすごく楽しそうだし絶対通いたくなると思い、その実験としての展示にすごく興味が湧き会場に向かいました。

ゲーム書籍コーナー

会場に入るとすぐ見える本棚にはゲーム関連書籍がたくさん並んでいました。

中にはすでに販売が終了されて古本がプレミアム価格で販売されているものもあったので、まずはここでじっくりゲーム書籍を楽しむのも良さそうです。

本棚の中に、なんと僕が昨年11月のレトロゲームサミットで販売開始した『家をゲーセンにはできないけど家でアーケードゲームを遊びたい!!』もありました!!

他にもKABUさんの『なおきくん2』といった同人誌もいくつも並んでいて「ゲーム関連書籍」として並んでいる本のチョイスに驚かされました。

復刻ミニゲーム機コーナー

本棚の横を見ると、さっそくゲームが動いています。

『ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ』と『ニンテンドークラシックミニ スーパーファミコン』です。

よく見るとミニファミコンのコントローラが海外のファミコン「NES」実機サイズコントローラに換装されていました。

ミニファミコンのコントローラはミニチュアサイズなので本気で遊ぶにはちょっと小さめなので、実機サイズのコントローラにカスタマイズされていてすごく遊びやすくなっていました。

反対側には『メガドライブミニ2』と『プレイステーション クラシック』がありました。

どちらもコントローラが2個づつセットされているので2人用ゲームもバッチリ遊べます。

ミニゲーム機コーナーの側面にはアーケードゲーム筐体を模したリュック『Arcade Cabinet Backpack』(通称「ゲーセンバッグ」)と改造された『アストロシティミニ』が展示されています。

アストロシティミニは筐体から基板が取り外されボックス状のケースに収納された小型化改造品で、ゲーセンバッグに入れる事を想定された改造のようです。

ボックス状に改造されたアストロシティミニにも液晶画面がついているので、この状態でコントローラを取り付けるだけでも遊べそうですが、会場ではゲーセンバッグに接続されていたので液晶はオフになっています。

ゲーセンバッグもフルカスタマイズモデルが展示されていました。

上部にステレオスピーカーとボリュームツマミが増設されていて単体でサウンドを出せるようになっています。

コンパネ部分にも標準では搭載されていないコインとスタートボタンが追加されていて各種ゲームが遊びやすくなっています。

コントローラ内部も改造されているようで、使用ボタンの説明を見た感じBrook Fighting Boradを使っているようでマルチプラットフォーム対応になっているようです(未確認)

アーカイブ系ミニハードだけでなくマスコン型ゲーム機の『電車でGO! PLUG & PLAY』も展示されていました。

PlayStation 2用の『電車でGO! FINAL』の移植版ですが、ワイド画面に対応したり高解像度化されたりと様々なアップデートが施されたゲーム機です。

僕は電車にあまり詳しくないので当時アーケード版を数回程度しか遊んだことがないので触ってみる程度のプレイしかできませんでしたが「電車の運転手さんごっこ」としては最上級の遊びということもあって、会場では親子で一緒に遊んでいる姿をみることができました。

ゲーム図書館什器コーナー

実際にゲーム図書館が開設された時に使われる事をイメージしたという什器に入ったプレイステーション。

90年代位にはゲームショップにこんな感じのデモ機があって新作ゲームが遊べたのを思い出しました。

動いていたのは個人的にはPS1の中でもベスト5に入る名作ゲーム『グルーヴ地獄V』です。数あるプレステタイトルからこれを選ぶゲーム図書館計画、最高です!

グルーヴ地獄Vの横に並んでいるのはニンテンドウ64版『F-ZERO X』、これも間違いなしの名作です。

NINTENDO64の特徴的なコントローラ3D(サンディ)スティックで遊ぶF-ZEROはシリーズの中でも特別な位置にいると思っています。

3台並ぶ什器最後の一台はドリームキャストの『Rez』です。

『Rez』と言えばセガがPS2参入第一弾タイトルとして有名ですがドリームキャスト版もひっそりと同日販売されていました。

「ドリキャスといえばこれ!」というタイトルは他にも沢山ある中で『Rez』をチョイスするなんて……、ほんと最高ですゲーム図書館計画!東京藝術大学!!

学生作品コーナー

東京藝術大学映像研究科の学生さんによる作品も展示されていました。

3つのゲームはどれもインディゲームや同人ゲームともどこか雰囲気が違うアーティスティックな印象のゲームでした。

もちろんこれら学生作品も自由にプレイすることができました。

PLAYコーナー

入場してからここまでのゲームもどれも自由に遊べましたが、PLAYコーナーでは各本体コーナーに複数のソフトが展示されていて自由に交換して遊ぶことができます。

PlayStationコーナー

初代プレイステーションにコントローラもメモリカードもバッチリ2個づつ刺さったフル装備状態で好きなゲームを遊べるのは、まさに「友達の家に遊びに来た」そのまんまの感覚です。

什器展示とは別に、ここでも『グルーヴ地獄V』があったのでセット、ボールペン工場のバイトで小銭を稼いでガチャを回してサウンドデータをゲットしてサウンドモードで電気グルーヴがプロデュースしたテクノを図書館内に響き渡らせる事ができました、最高です!

『パラッパラッパー』『I.Q』『ワイプアウト』などなど、そうそうこれこれ!という”わかりみ”溢れるプレステラインナップです。

スーパーファミコンコーナー

みんな大好きスーパーファミコン。

このコーナーもコントローラ2個完備で対戦プレイもバッチリです。

それだけではなくマリオペイント用のマウスセットや当時おもちゃ屋さんやゲームショップでデカいパッケージを観てほしいなーと思いつつなかなか購入に踏み切れなかったスーファミバズーカこと『スーパースコープ』もありました!

よく見るとこのスーパースコープ、マウントレールとドットサイトが装備されたカスタムモデルでエイム力がバク上がりです。

マウントレールが付いているのでエアガン同様に様々な特殊装置を取り付けできそうで夢が膨らみます。

マウスには『マリオペイント』や『マリオとワリオ』、バズーカには『ヨッシーのロードハンティング』と専用タイトルが用意されていて、それ以外にも2人プレイが楽しい格闘ゲームや大定番のマリオカートに各種マリオシリーズも揃ってて思い出補正無しに名作ぞろいです。

ドリームキャストコーナー

ドリキャスコーナーはコントローラ1つで、他がフル装備だったので「あれ?」と思っちゃいましたがモニタの横にある棚を観て大納得。

大充実の周辺機器!!

ツインスティックが2個、アーケードスティックにハンドルコントローラ、キーボードまで準備されていました。

ドリキャスコーナーのタイトルも充実していて周辺機器もバッチリ揃っているので「ドリキャス持ってたけどキーボード触ったことないな」という人や「当時バーチャロンもツインスティックも持ってたけど対戦はさすがに出来なかった」なんて当時のやり残しをココで解消することだって可能です。

ニンテンドウ64コーナー

ロクヨンと言えば4人プレイ、もちろんバッチリコントローラが揃っていました。さらに巨大な3管プロジェクタに接続され巨大なスクリーンに投影された状態でゲームが遊べる夢のような環境です。

64コーナーのカセットも”わかりみ”溢れるラインナップ!みんなで遊べるタイトルから、プロジェクタで投影されたスクリーンで映えるスターウォーズ系タイトルが揃っていたりと、一人でも四人でも大画面を堪能できると思います。

資料コーナー

「レトロゲーム遊び放題だぜー!」だけじゃない、実際にゲーム図書館を作ったらどうしていこうということが書かれたドキュメントが掲示されています。

ゲーム寄贈協会によるゲームを未来に残すために何をすべきか、ということが書かれた資料です。

国会図書館では本だけでなくデジタルメディアも蔵書していてゲームも集めているという話を聞いたことがありましたが、寄贈が義務化される以前の現在レトロゲームと呼ばれる20世紀のゲームはほとんど無いのが現状であることを初めて知りました。

メディアアートコーナー

パックマン フォルトゥーナ256

入口に戻り横に進むとビデオゲームとはちょっと雰囲気の違う展示が並んでいました。

以前開催された『パックマン展』で展示されていたニコラ・ビュフ氏による『パックマン フォルトゥーナ256』

コロボックルのテーブル

八谷和彦さんのアート作品『コロボックルのテーブル』です。

クリアグレーのコースターを動かすと透けてコロボックルが見えたり見えなかったり、というちょいと不思議な雰囲気のテーブルです。

光であそぶ

アトリエオモヤによる触れるアート作品。

巨大バルーン状のものの下に入ると水滴やビー玉に見えるマルが沢山動いていて触ると反応するというもので、シンプルなのになんとなく何度も触っては動きを楽しんでしまうシンプルなゲームみたいな感触でした。

クラシックゲームの世界へようこそ

ファミコンを小型化改造して遊んだりやスーファミジュニアにRGB改造したりワンダースワンをHDMIで表示できるように改造して実機で遊べる環境を作ったりNintendoSwitch Online配信タイトルやアーケードアーカイブスでレトロゲームを遊んだり、ゲームセンターであまり見かけなくなったアーケードゲームを基板を購入して自宅で遊んだりといった何気なく普段やっていた趣味の世界が、学術的だったり未来へ残すための壮大な構想だったりするという自分には無かった視点から見たり知ることができて本当に驚きの連続でした。

「ゲームが遊べるぞやったー!」と会場にいって遊ぶだけで、それが思考実験の一つだというのも面白いなーと思ったので開催中に子供を連れて再度行ってみようと思いました。

一般公開前タイミングのご招待枠に声掛け頂いた八谷和彦さん、本当にありがとうございます!!まさか自分の本が置いてあるとは知らずに本棚を見て心拍数が上がりまくってApple Watchが「急激な心拍数の上昇を検知しました」と警告メッセージが出していました(笑)

リンク

東京藝術大学 | 展示「PLAY! 藝大ゲーム図書館計画(Lv1)」(2024/09/26-29)

八谷和彦氏 reserchmap | X(旧Twitter) | Note

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